裏通りに入り、人混みがバラけると、我々は一斉に走り出した。
他の見ず知らずのギャラリー数名も同じ考えだったらしく、走っていた。
顔が若い奴も混じっていたので、未成年という事情かも知れない。
さすがに夏休みの補導はカッコ悪いというところか。
それにしても後から思い起こしても恥ずかしいのは、
この逃走のさなか、まだ酒が残っていてキャアキャア笑っていたことだ。
空き家解体に派出所にカエルを投げ込んで逃げる小学生じゃあるまいし、
バカにも程がある。不謹慎ナイトだ(笑)

ほどなく車を置いた海浜公園にさしかかると、
入り口付近に白いセドリックが停まっていた。車高を下げたヤンキーカーだ。
小さくて幅の広いタイヤが斜めにはみ出している。
「やべえ、出られねえじゃん。」
家主が低く呟く。運転席に白いサマーセーターを着た
ソリコミ頭の若い男が見えた。場合によっては一触即発だ。